07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 彩藍方(ツァイランファン)はそう言い残し、大急ぎで鉄鉱力士(てっこうりきし)に乗って黒炎山(こくえんざん)へと帰っていった。 「騒がしい奴が減るとなんか凄い静かになったな」  崩れかけの翳冥宮(えいめいきゅう)の外観を眺めながら、これまでのことを思い出す。  模造品とはいえ、彼ら彩鉱門(さいこうもん)鉄鉱力士(てっこうりきし)閑白(シャンバイ)の分身たちと対等にやりあっていた。口数は多くて騒がしかったが、彩藍方(ツァイランファン)も彼の門派も大したものだ。  あとから知ったことだが、蓬莱(ほうらい)が現れたと同時か僅か前に、鸞快子(らんかいし)小黄(シャオホワン)は姿を消していた。煬鳳(ヤンフォン)としては万が一のときに鸞快子(らんかいし)がいてくれたのなら蓬莱(ほうらい)を退けることができたのではないか、と思わなくもない。  しかし、 「小黄(シャオホワン)にはまだ秘密がある。万に一つでも蓬莱(ほうらい)に狙われてはいけないと思い、咄嗟に姿を隠したのだ」  という鸞快子(らんかいし)の言葉にも一理ある。  だが、それで余計に鸞快子(らんかいし)という人物の底知れぬ力を煬鳳(ヤンフォン)は思い知った。 (だって……蓬莱(ほうらい)ですら小黄(シャオホワン)の存在に、いや鸞快子(らんかいし)と二人の存在に気づかなかったってことだろ?)  あの蓬莱(ほうらい)を前にして、彼に気取られないように姿を隠す方法など、存在するのだろうか?  けれど鸞快子(らんかいし)はやはり「運が良かっただけだ」と笑ってはぐらかすのだ。
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