07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 翳冥宮(えいめいきゅう)に溜まっていた陰気は凰神偉(ホワンシェンウェイ)凰黎(ホワンリィ)が取り除いてくれた。もともと閑白(シャンバイ)が無理やり陰気を増幅させていたことがそもそもの原因であったので、対応自体はさほど難しいものではなかったようだ。  残念ながら煬鳳(ヤンフォン)にはできることがない。  それで仕方なく、小黄(シャオホワン)と手を繋ぎながら彼らの働きぶりを眺めていた。 「黒明(ヘイミン)」  ぼんやりと翳冥宮(えいめいきゅう)を見つめる翳黒明(イーヘイミン)煬鳳(ヤンフォン)は呼び掛ける。翳白暗(イーバイアン)の持つ真珠のような髪の毛は、翳黒明(イーヘイミン)の魂魄が入ったことにより下の方が黒くなっている。このまま魂魄が定着したら完全な黒い髪になるかもしれないが、それは翳黒明(イーヘイミン)が寂しがるだろう。 「お前たちには感謝してもし切れない」  翳黒明(イーヘイミン)が口を開く。  聞こえていないのではないかと思ったが、一応聞こえてはいたようだ。 「お前たちのお陰で翳冥宮(えいめいきゅう)白暗(バイアン)たちの仇を取ることができた。自分がいかに愚かだったのかも痛いほど思い知った。それでも、俺はこれから踏み出すことができる」  翳黒明(イーヘイミン)は髪飾りに触れた。羊脂玉の花弁が触れ合って、さらりと音を立てながら約束の花は揺れる。夕日を受けた白い花の飾りは、きらきらと輝きを放ち美しい。 「白暗(バイアン)と約束、したからな」
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