07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 その先を翳黒明(イーヘイミン)が言うことはなかったが、翳黒明(イーヘイミン)が何を言いたかったのか、煬鳳(ヤンフォン)には分かった。 「さあ、翳冥宮(えいめいきゅう)を包むように結界も張った。我々も恒凰宮(こうおうきゅう)に帰ろうか」  凰神偉(ホワンシェンウェイ)凰黎(ホワンリィ)が戻ってきたのを見つけると、鸞快子(らんかいし)煬鳳(ヤンフォン)たちに呼び掛ける。煬鳳(ヤンフォン)としては原始の谷のことも気にはなったのだが、いまはそれよりとにかく疲れが勝っていた。  黒曜(ヘイヨウ)翳黒明(イーヘイミン)のことが心配なのか、それとも共に悲しみを分かち合うためなのか、何か語るでもなく静かに翳黒明(イーヘイミン)の肩に留まっている。  翳冥宮(えいめいきゅう)全体に結界を施した凰神偉(ホワンシェンウェイ)凰黎(ホワンリィ)も、多かれ少なかれ疲れているのだろう。足取りも心なしか重く感じる。  しかし凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)のことを気づかわし気に窺う。 「煬鳳(ヤンフォン)、疲れているのではないですか?」 「疲れた! でも、俺より凰黎(ホワンリィ)のほうがずっと疲れてるだろ?」  煬鳳(ヤンフォン)の言葉に凰黎(ホワンリィ)は「そうですね……」と考えている。 「疲れたといえば疲れましたが、肉体的な疲れより精神的な疲れの方が大きかったですね」  そう言うと凰黎(ホワンリィ)は大きく溜め息をついた。その大きさといったら、全身で溜め息をつくようなほどだ。
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