07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 蓬莱(ほうらい)の力はとんでもなく強い。戦わずしてそれが理解できる程には凄かったのだ。  そんな人物を前にして、凰黎(ホワンリィ)は誰一人傷つかないようにと必死で堪えていた。 (一番辛かったのは、きっと凰黎(ホワンリィ)だったろうに……)  すべてを推し量ることはできないが、あのときの凰神偉(ホワンシェンウェイ)凰黎(ホワンリィ)、二人の恨事の念はいかほどであっただろうか。煬鳳(ヤンフォン)は彼らの心が少しでも楽になればと努めて明るい口調で同意した。 「まあ、俺も初めてあの蓬莱(ほうらい)って爺さんに会ったけど……大して言葉を交わしたわけでもないのに凄い疲れたよ」 「でしょう?」  凰黎(ホワンリィ)から笑顔が漏れる。自分の苦労が少しでも理解されて嬉しかったのだろう。煬鳳(ヤンフォン)は大きく頷き言葉を続けた。 「うんうん! それに凄い不気味だった。なんであいつ、そこまで凰黎(ホワンリィ)に執着するんだ? 有能なやつなんていくらでもいるだろ? ちょっと異常なくらいのしつこさじゃないか?」  なぜなのか、凰黎(ホワンリィ)の表情が微かに曇る。 「それは……それだけの秘密を私が持っている、ということですよ」 「秘密?」  躊躇いと気まずさをない交ぜにしたような顔で、凰黎(ホワンリィ)は頷く。その言葉の続きを煬鳳(ヤンフォン)は待っていたが、結局凰黎(ホワンリィ)から次の言葉は出てこない。 (不味いこと聞いちゃったかな……)  すぐに話を変えようと、煬鳳(ヤンフォン)は言葉を探すのだが、焦れば焦るほど頭の中は真っ白だ。
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