07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 そんな時煬鳳(ヤンフォン)たちの背後から翳黒明(イーヘイミン)凰神偉(ホワンシェンウェイ)の声が聞こえてきた。 「さっきのあいつ……仙人だっけか? ああいうお高いところにいる奴は何から何まで信用ならないな。閑白(シャンバイ)の件だって知らないというのも正直に言えば怪しいものだ。白暗(バイアン)のことだって都合のいい道具としか見ていなかったんだろうな」 「全く持って同感だ。彼らは人界(にんかい)に住む者を何だと思っているのだろう。彼らは私の弟の人生を大きく狂わせた。その結果がどうであっても、そのような所業を許せるはずがない」  翳黒明(イーヘイミン)の言葉に凰神偉(ホワンシェンウェイ)はもっともだとばかりに同意する。なんだか妙なところで彼らは意気投合してしまったらしい。 「……凰黎(ホワンリィ)。お前結構兄貴に愛されてるんだな……」  そんな彼らのやり取りを見て思わず煬鳳(ヤンフォン)は苦笑する。 「羨ましいな」  突然のことだ。先程まで息巻いていた翳黒明(イーヘイミン)が、力なくぽつりと零した。 「恒凰宮(こうおうきゅう)宮主(ぐうしゅ)。俺は貴方が羨ましい。……俺も、かつての弟にそこまでの気持ちを傾けてやったのなら……。この結末は変えられたのだろうか……」  様々な苦難に飲まれ続けてきた彼に掛けてやる言葉は、誰も持ち合わせてはいない。煬鳳(ヤンフォン)たちは何も言えず、沈黙を守るのみ。 「いや……すまない。忘れてくれ。俺はそのようなことを願うことすら許されない。あいつを殺したのは他でもない俺なのだから」
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