07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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 そう言うと翳黒明(イーヘイミン)は小さく自嘲気味に笑ったが、やはり誰一人その言葉に返すことができない。 (気まずい……)  誰か翳黒明(イーヘイミン)に対して、うまいことの一つでも言ってくれないものだろうか。ちらちらと凰神偉(ホワンシェンウェイ)凰黎(ホワンリィ)、それに後ろを歩く鸞快子(らんかいし)に視線を向けるが、誰一人として言葉が出てこない。  ――誰でもいいから助けて!  神に祈るがごとく、煬鳳(ヤンフォン)が思ったときに神は現れた。 「大哥(にいに)。それ以上言ったらだめ」  それは小黄(シャオホワン)だった。 「小黄(シャオホワン)……?」 「それ以上自分を責めたら、大哥(にいに)のだいじな人が悲しむから」 「済まない、だが……」 「翳黒明(イーヘイミン)」  小黄(シャオホワン)がはっきりとした口調で呼び掛ける。驚いた翳黒明(イーヘイミン)が顔を向けると、小黄(シャオホワン)は悲しげな表情で翳黒明(イーヘイミン)を見つめていた。 「翳白暗(イーバイアン)翳黒明(イーヘイミン)の傍にいるよ、いまもずっと。だからそれ以上自分を責めたり悲しまないで」  その言葉に応えるように、翳黒明(イーヘイミン)の髪飾りがさらりと音を奏でる。  翳黒明(イーヘイミン)は戸惑い暫く視線をあちこちと彷徨わせ、それから小さく頷いた。
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