08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 恒凰宮(こうおうきゅう)に辿り着くと燐瑛珂(リンインクゥ)がみなを出迎えてくれた。 「お帰りなさいませ、宮主(ぐうしゅ)様。皆さま」  泰然とした口調の彼は、出迎えたときも見送ったときと何ら様子が変わることはない。  そんな燐瑛珂(リンインクゥ)に対し、凰神偉(ホワンシェンウェイ)は労わりの言葉を告げる。 「留守の間はご苦労だった」 「恐れ入ります」  いつも通りの無駄のない言葉。しかし凰神偉(ホワンシェンウェイ)はそのあとにもう一言続けた。 「あとで仔細は説明するが、いまはみな疲れている。沐浴の準備と各々の部屋を用意してやって欲しい」 「畏まりました。さあ、皆さまこちらへ」  その燐瑛珂(リンインクゥ)の言葉を聞いて、煬鳳(ヤンフォン)たちはようやく安心できる場所に戻ってきたことを実感する。同時に、体の底からどっと疲れが湧き上がってくるのを感じて堪らず煬鳳(ヤンフォン)は、 「凰黎(ホワンリィ)、俺もう疲れた~」  と凰黎(ホワンリィ)に抱き着いた。  凰黎(ホワンリィ)はそれを、霊力を使ったせいかもしれないと思ったのか慌てて煬鳳(ヤンフォン)の額に己の掌を押し当てる。 「おやおや、熱は……うん、上がっていないようですね、宜しい。……それなら煬鳳(ヤンフォン)が元気になるように私が……」  ごほん、と咳払いがその言葉を遮った。  当然、咳払いの主は凰神偉(ホワンシェンウェイ)だ。
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