08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 この竹の絵を選んだとき、宮主(ぐうしゅ)はよもや蓬莱(ほうらい)凰黎(ホワンリィ)を連れ去ろうとするとは思わず、その先に途方もない困難が待ち受けているとまでは思わなかっただろう、しかし凰黎(ホワンリィ)は数々の困難に負けず、沢山の人々に愛されこうして今も人界(にんかい)で過ごしている。  きっと凰黎(ホワンリィ)の両親がこの掛け軸を残しておいたのも、離れていても凰黎(ホワンリィ)がこの竹の絵のように強くあって欲しいと願いを込めていたのだろう。  それに、凰神偉(ホワンシェンウェイ)も。  中庭へと通じる格子戸には、夕日を浴びた笹の影が落ち、どこか寂しさを感じさせる。  本来は凰黎(ホワンリィ)が毎日見るはずだった光景をぼんやりと見つめながら、今日一日に起こった様々な出来事を思い出し、煬鳳(ヤンフォン)は物思いに耽った。 「さて……。時間も限られていますから、本題に入りましょう。私がむかし原始の谷に迷い込み、万晶鉱(ばんしょうこう)を持ち帰ったことは話しましたよね?」 「うん。そのあと蓬莱(ほうらい)がそれを知って恒凰宮(こうおうきゅう)に押しかけてきたんだったな」 「その通りです」  凰黎(ホワンリィ)は頷く。これは恒凰宮(こうおうきゅう)から白宵城(はくしょうじょう)へ向かう途中で聞いた話だったから、煬鳳(ヤンフォン)はとてもよく覚えている。 「万晶鉱(ばんしょうこう)はすさまじい力を持つもの。なぜそのような力を持っているかは(ツァイ)二公子が以前説明して下さいました」
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