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まず、万晶鉱がなぜ恒凰宮と翳冥宮の双宮によって封印されているかといえば、そうせざるを得ないほど万晶鉱が危険な代物だったからだ。その封印はとても強固であり、人界の人間のみならず冥界・天界、何人たりとも双宮の協力失くしては入ることはできないという。
おとぎ話の通り、過去に『万晶鉱』に触れた人間には破滅が訪れた。
それも一人残らず、だ。
ある意味凰黎も程度は違えど苦しい結果となってしまった。
それはなぜか?
「伝説では、万晶鉱を手にすれば過去と未来を垣間見ることができ、一生かかっても得られないような素晴らしい知識を身に着け、更には世の理を支配できると言い伝えられています。さて……彩二公子の言う通り万晶鉱の中にはとてつもないほどの力が圧縮されているわけで。それはつまりこの世界が始まったときから遥か未来に至るまでの全ての記憶」
「世界が始まったときから遥か未来に至るまでの全ての記憶……?」
「そう。ですが問題もあります。万晶鉱に触れた瞬間その記憶が触れたものの脳内に流れ込むため、結果としてその奔流に耐え切れず、例外を除いてほぼ全員が死に至ってしまうというわけです」
煬鳳はそれは一体どれほどのものなのだろうかと考えてみた。しかし少し考えただけでも目が回りそうなほど、それは果てしなく恐ろしく長い時間。
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