08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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彩鉱門(さいこうもん)の門弟たちは唯一、万晶鉱(ばんしょうこう)から流れ込む記憶の奔流を遮断する術を持っているそうです。ただ、あくまで彼らは万晶鉱(ばんしょうこう)を使って武器や宝器を造り上げるのが目的であり、危険性を知っているからこそ彼らは未来を垣間見ないのだとか」  およそ想像もつかないが、やはり万晶鉱(ばんしょうこう)とはとんでもない代物に違いない。そんな鉱石を彩鉱門(さいこうもん)はよくまあ扱えるものだと煬鳳(ヤンフォン)は感心してしまう。 (あれ? でも変だな?)  先ほどの話の通りであれば、凰黎(ホワンリィ)万晶鉱(ばんしょうこう)に触れた。ならば彼も万晶鉱(ばんしょうこう)から記憶の濁流の洗礼を受けたのではないだろうか?  煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)に尋ねる前に凰黎(ホワンリィ)は別の話題を投げかけた。 「私が蓬静嶺(ほうせいりょう)に引き取られることになった、切っ掛けは覚えていますよね?」 「ああ、しつこい爺さんが言い寄りまくってきたからだろ?」  一つ一つ確認するように凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)に問いかける。しかしあまりに歯に衣着せぬ言い方をしたからか、凰黎(ホワンリィ)が苦笑した。 「言い方……。まあ、そうであったとして。なぜ彼がそこまで私のことを欲したと思いますか? 単なる五歳の子供です」 「有能だから?」 「半分は当たっています。もう半分、それは……彼らを含め、皆が一様に欲している原始の谷の力。万晶鉱(ばんしょうこう)に触れ、過去と未来を垣間見た者の一人だからです」
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