08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 そうでなければ、凰黎(ホワンリィ)が垣間見た過去ないし未来の中になにかがあったのだろうか、と煬鳳(ヤンフォン)は考えた。 「なあ。実際、どうだったんだ? 万晶鉱(ばんしょうこう)が見せたものって、凄かったのか?」 「内容によってはみなが羨ましがるかもしれません。けれど正直な気持ちを言えば、知っていたら万晶鉱(ばんしょうこう)には触れたくはありませんでした」  凰黎(ホワンリィ)は苦々し気に言ったあと、ふと顔を上げる。 「……いえ、知っていてもやはり触れたかもしれませんね」  急に真逆のことを言った凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)は驚く。前言撤回もいいところだ。  どこから聞いても先ほどの話の中に「触れたかった」という要素はない。 「なんで?」 「秘密です」  煬鳳(ヤンフォン)の問いかけに凰黎(ホワンリィ)は嫣然と微笑む。  先ほどまで深刻な顔をして話していたはずの凰黎(ホワンリィ)がそのような表情をしたので、煬鳳(ヤンフォン)は堪らずに訴えた。 「ず、ず、ず、ずるいぞ! 俺に隠し事していいと思ってるのか!?」 「それは違います。貴方に隠し事をする気は全くないのですが、世の中には知らない方が良いこともあるのです」 「いま秘密にしてるだろ! 気になる!」  それでも煬鳳(ヤンフォン)が駄々をこねると、凰黎(ホワンリィ)はにこにこと煬鳳(ヤンフォン)の頭を撫でる。これではまるで子ども扱いだ。
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