08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 凰黎(ホワンリィ)の腕がぱっと離れたと思うと今度は膝から抱え上げられる。 「わ!? 凰黎(ホワンリィ)!?」  凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)を寝台に連れていくと、ふかふかの被褥の上に煬鳳(ヤンフォン)を降ろした。煬鳳(ヤンフォン)が起き上がろうとすると、凰黎(ホワンリィ)の両手に両腕を抑え込まれてしまう。  煬鳳(ヤンフォン)の頬に触れるほど凰黎(ホワンリィ)は顔を寄せ、熱い言葉を耳元で囁く。 「こうしている時間が惜しい。もっと貴方に触れていたい。貴方の見せる表情を私の瞳に全て焼き付けて、このまま今夜は縫い留めてしまいたい」 「ほ、凰黎(ホワンリィ)!? 兄君がその、さっき……」 「それはそれ、これはこれ」  いやいや、絶対ばれるから!  煬鳳(ヤンフォン)はそう叫びたかったが、凰黎(ホワンリィ)にそれを阻止されてしまう。じたばたと暴れ「兄貴に怒られるぞ!」と言ってみるも「兄は兄であり保護者ではないので……」などと調子のいい言い訳を言ってくる。  ――もう、なるようになれ!  そう思った瞬間だ。 「夕餉の支度が調いました。ご案内いたします」  狙いすましたかのように部屋の外から掛けられる声。さすがにこれには凰黎(ホワンリィ)も咄嗟に煬鳳(ヤンフォン)から体を離す。 「有り難うございます。支度をしたら出ますので」  取り繕うかのようにそう言うと、慌てて煬鳳(ヤンフォン)を助け起こしたのだった。     * * *
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