08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 殆ど放り投げるようにして小黄(シャオホワン)凰黎(ホワンリィ)に託した翳黒明(イーヘイミン)は、やはり煬鳳(ヤンフォン)と同じように膝を折ってしまったのだ。立て続けに黒曜(ヘイヨウ)もぼとりと地面に落ち、弱弱しく『クエェ』と鳴いている。  そして煬鳳(ヤンフォン)は感じる、翳黒明(イーヘイミン)の体もまた煬鳳(ヤンフォン)と同様に体温が上昇していることに。 「嘘、だろ……!?」  なにが切っ掛けでこうなったのか。煬鳳(ヤンフォン)はいま霊力をこれっぽっちも使ってはいない。同様に翳黒明(イーヘイミン)だって今日は朝から一度も霊力を使ってはいないはずなのだ。  ――なのに、なんでだ!?  しかしこのような状態でまともに考えることなど、できるはずもない。 「二人とも今すぐに熱を下げますから……!」  凰神偉(ホワンシェンウェイ)小黄(シャオホワン)を預かってもらい、慌てて凰黎(ホワンリィ)が二人の背後に屈みこむ。両手を背に当て冷気を送り始めたそのときだ。 「ここは小鳳(シャオフォン)の叔父に任せて貰おうか――」  小鳳(シャオフォン)、の言葉だけで凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)はそれが誰であるのか瞬時に察した。  しかし、まさか彼が?という思いも鎌首をもたげている。  驚く凰黎(ホワンリィ)にその人物は「よいか?」と尋ねると、慌てて凰黎(ホワンリィ)はその場を彼のために開けたのだ。 「魔界(まかい)の皇帝陛下、ようやく来てくださったのですね……!」  やっぱり陸叔公(りくしゅくこう)だった。
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