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よくよく考えてみれば地震が起きた直後に煬鳳たちがああなってしまったため、みな立ちっぱなしの状態だった。気を利かせた凰黎の呼びかけにより、拝陸天を始めとして部屋の中にいた皆は各々椅子に再び座る。
弟に名指しされた凰神偉は燐瑛珂にこの場を託し、外の様子を見るために客堂をあとにした。
いまこの場にいるのは煬鳳と凰黎、それに拝陸天と鸞快子に翳黒明、小黄、燐瑛珂の七人だ。鸞快子は拝陸天に軽く挨拶を済ませたあとそれぞれの顔を見まわした。
「さて。僭越ながら私がこの場を仕切らせて頂くが……。まず煬鳳と黒曜は同じ体を共有しているので一人という扱いで、翳黒明と煬鳳の二人の持つ共通点を改めて考えてみよう」
「共通点といえば真っ先に出るのは煬鳳と翳黒明の使う翳炎ですね。あとは煬鳳の中には翳黒明の分身である黒曜が宿っていること」
鸞快子の言葉に凰黎が答える。
「共通点なんてそんなもんじゃないか?」
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