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「……無理やりあげるなら、煬鳳が育ったのは黒炎山。俺が封じられていたのもまた黒炎山。そんなところか」
それだけでは足りないと思ったのか、凰黎に続いて翳黒明も答える。
他に一体なにがあるのだろうか?
みな互いの顔を見ながら誰かが答えるのを待っているが、やはり誰も答えることはない。
「つまり――共通点は概ね翳炎、黒炎山、それに翳黒明という存在に関わっていること。この三点というわけだな」
それは殆ど同じことを言っているだけなのでは?
拝陸天を見つめるみなの視線が物語っている。
「いや、みなの言いたいことはよく分かる。しかし陛下……煬六郎殿の言うことも一理ある」
そう言ったのは鸞快子だ。
「気づかないか? いまあげた全てのことはたった一つ――黒炎山に集約するということだ」
「黒炎山?」
「そうだ、煬鳳。……なあ、小黄。先ほどの地震はどこで起きたのか君には分からないかな?」
鸞快子に指名された小黄は「え、ええと……」と戸惑いの表情を見せる。
『鸞快子。いまの小黄では多分答えられないと思うぞ』
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