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「私が調べた情報だが、他にはここ、垂州にある肱流峰、胴丘。ここでも規模は小さいがやはり地震のようなものがあったそうだ。不思議なことに、地震のあとはどちらも睛龍湖のように辺りの緑が消えてしまったらしい」
「つまり、特定の地震があったあと、その場所はどこも緑が枯れるってことか?」
「まあ、そう考えてもいいだろう」
煬鳳の問いかけを鸞快子は肯定する。
煬鳳たちが知ることになった揺爪山での一件は、たまたま鉱夫が閉じ込められたことで五行盟の知るところとなったわけだが、そうでなければ全てを把握することは難しい。
(こんなにあちこちで地震が頻発していたなんて……)
しかも本当にほんの半月、ひと月には満たないほどの短期間の話だ。
鸞快子は続けて筆をとり、地図の一点を指し示す。
「それから、ここも以前地震があった場所だ。……そういえば、以前煬鳳からこの龍の尾について尋ねられたことがあったな。それがこの場所だ」
「あっ! もしかして!?」
鸞快子が辰尾江の名を書き込んだところで煬鳳は声をあげた。
「どうしたのですか? 煬鳳」
煬鳳は鸞快子の書いた文字を指差して凰黎に見せる。
「うん、凰黎。見てくれよ。ほらここ……小黄の言ってた『尻尾』だろ?」
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