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「安心したら、早く席に着きなさい。そして、万全の体制を整えて治療に挑みなさい」
「は、はい」
煬鳳は凰黎に凰神偉に近いほうの隣を譲り、凰神偉とは逆側の凰黎の隣に座る。煬鳳の行動に凰黎は驚いたようだったが、本音は凰黎のためだろうが、それでも凰神偉は煬鳳のために彩鉱門に連絡をとってくれた。そして彩藍方からの伝言も伝えてくれたのだ。
感謝の気持ちも兼ねて可愛い弟を隣に座らせるくらいの心配りは、したっていいだろう。
「あー、小鳳?」
なにかもの言いたげな叔父がこちらを見ている。
煬鳳はすぐに叔父の意図を察すると、「陸叔公! こっちこっち!」と手招きをした。
「私も小鳳の隣に行っても良いのかな?」
「もちろんだよ。だって、陸叔公は俺のために来てくれたんだから。当然だろ?」
拝陸天は煬鳳の言葉を聞いて嬉しそうに微笑む。差し出された拝陸天の手が、頭上に伸びてきたかと思うと頭をかき混ぜられる。照れくさくて煬鳳は体を捻ろうとしたのだが、結局のところ喜んだ拝陸天に抱きしめられてそれどころではなくなってしまった。
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