08:五趣生死情侣们(恋人たち)

43/85
前へ
/1358ページ
次へ
「……でも、三人だけで? しかも一人は子供なのに? しかも、言い出しっぺの鸞快子(らんかいし)はなんで行かないんだ?」 「それは……私がお願いしました。……万に一つ煬鳳(ヤンフォン)になにかあったとき、対処できるのは鸞快子(らんかいし)だけです。ましてや何者かの介入があったとなればなおのこと」  それを言われると、煬鳳(ヤンフォン)はそれ以上なにも言えなくなってしまう。鸞快子(らんかいし)恒凰宮(こうおうきゅう)に残し、小黄(シャオホワン)と共に行かなかったことに文句を言いたかったのだが、凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)のことを心配して鸞快子(らんかいし)恒凰宮(こうおうきゅう)に残して貰ったのだから。  責任感の強い凰黎(ホワンリィ)のことだ。普段の彼ならば、煬鳳(ヤンフォン)のことは自分に任せて小黄(シャオホワン)についてくれと鸞快子(らんかいし)に言っていただろう。 「気持ちは分かるが、恒凰宮(こうおうきゅう)翳冥宮(えいめいきゅう)宮主(ぐうしゅ)二人が一緒なのだから、心配は無用だ。翳白暗(イーバイアン)の体は仙界(せんかい)の仙果から造られたと言っていた。恐らく人間であった頃よりも自由に力が使えるはずだ。……そして万に一つ、小黄(シャオホワン)になにかあったとしても、絶対に彼らに危害を加えさせたりはしない」 「そりゃ、もちろんだけど。でも、なんで鸞快子(らんかいし)はそう言い切れるんだ?」  鸞快子(らんかいし)は不敵に微笑むと、煬鳳(ヤンフォン)の向こう側に向かって指を差す。 「?」
/1358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加