08:五趣生死情侣们(恋人たち)

46/85
前へ
/1358ページ
次へ
 そんな煬鳳(ヤンフォン)に告げたのは鸞快子(らんかいし)だ。  鸞快子(らんかいし)稀飯(きはん)の載った盆に目を向けると「冷めないうちに食べなさい」と促した。凰黎(ホワンリィ)はすぐさま稀飯(きはん)の器を取り上げると、煬鳳(ヤンフォン)の傍に座る。 「君の溢れる霊力を、首の痣を通さずに黒曜(ヘイヨウ)に移すことには成功したが、黒炎山(こくえんざん)と連動して起こる体温の上昇については止めることができない。だから、この先もしも黒炎山(こくえんざん)の活動が活発になるとしたら、霊力の増減に関係なく、きみの体温は上昇する」 「はぁ!?」  凰黎(ホワンリィ)稀飯(きはん)を食べさせて貰っていた煬鳳(ヤンフォン)は、思わず食べた稀飯(きはん)を吐き出しそうなほど驚いた。せっかく全てがうまく行った。そう思ったはずなのに、急にはしごを外された気分だったのだ。 「な、なんで!? 霊力は使えるようになったし、異常なほど体の熱があがることも無くなったんだろ!?」
/1358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加