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「その通り。君の体の中から湧き上がる強大な霊力については概ね解決したといって差し支えはない。問題は黒炎山由来の熱についてだ。それは煬鳳の霊力に関係があるのではなく、黒炎山の活動が活発化していることが原因になっている。その炎の根源は、君や翳黒明の翳炎は黒炎山に封じられた黒冥翳魔の翳炎と根を同じとしているもの。ゆえに、大本の黒炎山の火山が活発化すると、連動して君たち二人の体温も上昇していくというわけだ」
「……」
一難去ってまた一難とはこのことか。せっかく霊力についての問題が解消されたと思ったはずなのに……。
(どうして新たな問題が増えてるんだ!?)
まあ、よくよく考えれば黒炎山の地震の件と煬鳳と黒曜の問題とは多少仕組みが違うと言えば理解できなくもない。
ただ、心情的には全く理解しがたいものだ。
「なら、今度はどうすりゃいいんだよ!?」
思わず声に出てしまった。
「それは――簡単なことだ」
しかし、意外にも鸞快子の答えは明快だった。
「黒炎山の……火龍を鎮める。それだけで解決するはずだ」
実に難しいことを簡単に言ってくれる。
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