08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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凰黎(ホワンリィ)の言う通りだ。君たちの体のことを解決するためには睡龍(すいりゅう)を再び眠りにつかせることは必須だが、だからといって一人で戦う必要はない。うまく立ち回って解決のための協力を引き出すんだ」  畳みかけるような凰黎(ホワンリィ)と、それに乗っかる鸞快子(らんかいし)。二人の息はぴったりで、凰黎(ホワンリィ)が幼い頃より蓬静嶺(ほうせいりょう)で客卿として滞在していただけのことはあると感心してしまう。  それにしても、それにしてもだ。 「なんかそれ、凄くずるい言い方じゃないか?」  自分たちの本来の目的を隠したまま、別の理由で協力を仰ぐ。確かに合理的ではあるが、なんだか釈然としない。  しかし鸞快子(らんかいし)は「どこが?」とばかりの顔で言葉をつづけた。 「どのみち火龍が目覚めたらこの地は終わりだ。この地だけではなく九州全体にも及ぶだろう。だからこそ国師(こくし)は危険を冒して睡龍(すいりゅう)に来ようとしているのだから」 「なるほど……」 「協力し合うのは悪いことではない。目的が同じならなおのこと協力しない手はないだろう?」 「う、うん……」  鸞快子(らんかいし)の勢いに半ば飲み込めまれながら煬鳳(ヤンフォン)は頷く。鸞快子(らんかいし)の言うことは実にもっともだ。少しばかりずるいとは思ったが、どちらにしても睡龍(すいりゅう)の地に住まう者にとって、危機的状況であることに変わりはないのだ。  そして、もしも龍が目覚めたら、少なくとも睡龍(すいりゅう)と呼ばれる三州だけに飽き足らず九州全体が終わりを迎えることだろう。
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