08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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「一緒に居ることは礼とかそういうのじゃなくて、当たり前のことなんだから。お礼にならないだろ? でも、凰黎(ホワンリィ)が俺のために今まで沢山してくれたことは当たり前以上のことなんだからさ」 「一緒ですよ」  背後から抱きしめたまま、煬鳳(ヤンフォン)の首筋に凰黎(ホワンリィ)が顔を埋める。 「大切な人のためなら、その人にとって本当に意味があることだとしたら、どんなことだってしてあげようと思うでしょう? だから、おんなじことなんです」 「そうかなぁ……」  そうなんですよ、と凰黎(ホワンリィ)は微笑む。  今まで当然のようにそうしてきてくれた彼だからこそ、彼の言葉には説得力がある。 「なら俺も――凰黎(ホワンリィ)のために意味があることなら、どんなことだってするよ。約束する」  けれど、凰黎(ホワンリィ)がそんなとき煬鳳(ヤンフォン)に向ける眼差しは喜びではなく寂しさなのだ。 「……でもやっぱり私は、そんなことよりも貴方が側に居てくれることが一番嬉しいですよ」  浮かべた表情の意味するところは、いったい何なのだろうか。  答えを聞きたくて、聞けなくて、もどかしさで煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)の顔を両手で引き寄せた。 「食事をお持ちしました」  水辺の方から煬鳳(ヤンフォン)たちを呼ぶ声がして、二人は顔を見合わせる。  そよぐ楊柳の向こう側、ちょうどちょうど湖の中央にある水榭(すいしゃ)には燐瑛珂(リンインクゥ)が立っていた。卓子(たくし)の上には幾つかの皿が並べられており、いつでも食べられるよう準備がされている。
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