110人が本棚に入れています
本棚に追加
五行盟において特に火行瞋砂門と土行雪岑谷は厄介な連中だ。霆雷門は融通が利かないのでそれらとはまた別に厄介だ。万に一つでも魔界の皇帝が自ら五行盟に乗り込んで来たと知られてしまったら、睡龍の話どころではなくなってしまうことだろう。
それに、煬鳳としては小黄のことも気がかりだ。翳黒明と凰神偉の二人は煬鳳たちを置いて原始の谷に行ってしまった。そして、原始の谷の状況も予断を許さない。
「だからこそ、陸叔公には小黄のことを頼みたいんだ。それに凰黎の兄貴と翳黒明のことも。あいつらなら平気だと思うけど……無事に戻ってこられるまで見守ってやって」
「……気を使わせて済まぬな」
「皇帝になったばかりなのにここまで無理して来てくれたんだ。それ以上のことなんか望めないよ。陸叔公のお陰で俺も体の熱が上がることを気にしなくて良くなったんだ。これで霊力だって全力で使えるし、みんなと一緒に心置きなく戦うことだってできる」
「小鳳」
普段の調子いい声ではなく、真面目な声で拝陸天が言った。
最初のコメントを投稿しよう!