08:五趣生死情侣们(恋人たち)

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 煬鳳(ヤンフォン)は首を振る。 「これは乳茶と言って、磚茶(だんちゃ)に牛や馬の乳を入れた飲み物です。以前睡龍(すいりゅう)の外へ使いに出たときに御馳走になりました。……優しい味で体も温まるし、心が落ち着くかな、と思いまして」  聞きなれぬ言葉に驚く煬鳳(ヤンフォン)だったが、凰黎(ホワンリィ)に「美味しいですよ?」と言われて恐る恐る口を近づけた。 「美味しい!」 「でしょう?」  しかし、元々凰黎(ホワンリィ)恒凰宮(こうおうきゅう)の生まれとはいえ、いまは蓬静嶺(ほうせいりょう)嶺主(りょうしゅ)代理でもある。勝手に夜中にあれこれとやって良いのだろうか?という疑問も湧いてくる。 「ふふ、勝手に持って来たと思いましたか? もちろん、一言断ってから頂いてきましたよ。兄上には自分の生家なのだから好きにして良い、と言われましたが……いくらかつての住んでいた場所とはいえ、そのようなことできるわけがありませんから」  煬鳳(ヤンフォン)の心を見透かしたように付け加えると、凰黎(ホワンリィ)も乳茶に口を付ける。 「それで……、あのさ。さっきはどうして泣いてたんだ? 辛い夢を見たのか?」  凰黎(ホワンリィ)の勢いに流されそうになってしまったが、大切なことをすかさず煬鳳(ヤンフォン)は切り出した。発端は眠れないことではなく、凰黎(ホワンリィ)が泣いていることに気づいたことだったからだ。 「……辛い夢、そうですね。とても辛い夢を見ました」  茶碗に目を落とし、呟くように凰黎(ホワンリィ)は語る。
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