09:実事求是真凶手(真犯人)

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 暫しそうやって一羽と一人だけの時間が過ぎてゆき、煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)の二人は給仕たちから茶と菓子を頂きながら彼らの時間が終わるのを待っていた。いかに煬鳳(ヤンフォン)たちが急いで五行盟(ごぎょうめい)に行きたいとは思っても、本来ならかなりの時間がかかるはずの恒凰宮(こうおうきゅう)から犀安(さいあん)までの距離を、僅かな時間で煬鳳(ヤンフォン)たちを運んでくれた瓊瑤(チョンヤオ)には、それくらいの権利はあるだろう。  ひとしきり鸞快子(らんかいし)との時間を堪能した瓊瑤(チョンヤオ)は、嬉しそうに再び空へと帰っていった。 「待たせて済まなかったな、行こうか」  瓊瑤(チョンヤオ)を見送った鸞快子(らんかいし)はすぐさま煬鳳(ヤンフォン)たちの元に戻ってくる。時間としては数刻ほど。確かに急いではいるが、彼らの時間を渋るほど焦ってはいない。 「いや、瓊瑤(チョンヤオ)には世話になったから。船で戻ってくる時間に比べたら、瓊瑤(チョンヤオ)にお礼をする時間くらいどうってことないよ」 「そうですね。せっかくの彼女の好意ですから、誠意をもって感謝の気持ちを伝えることも大事かと」  煬鳳(ヤンフォン)の意見に、凰黎(ホワンリィ)も同意する。煬鳳(ヤンフォン)としては待っている間に甘い物もご馳走になったので上機嫌だ。 「よし、じゃあ行こうぜ!」  元気に煬鳳(ヤンフォン)がそう言うと二人は互いを見て、そして煬鳳(ヤンフォン)に頷いた。     * * * 「あれ? どうしたんだ?」
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