09:実事求是真凶手(真犯人)

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 やがて瞋熱燿(チェンルーヤオ)は本部の中でも奥まった場所にある部屋に煬鳳(ヤンフォン)たちを案内してくれた。 「ここなら人通りもあまりありません。周囲の気配にさえ気を配っていれば、内密の話もできるでしょう」 「瞋熱燿(チェンルーヤオ)、今回は本当に助かった」  礼を言った鸞快子(らんかいし)に、慌てて瞋熱燿(チェンルーヤオ)は首を振る。 「そ、そんな鸞快子(らんかいし)様! 畏まらないで下さい! 僕は皆さまを案内しただけで……あっそうだ!」  忙しなく瞋熱燿(チェンルーヤオ)はあわあわと焦ったあと、動きを止めて二度三度深呼吸をした。どうやら国師(こくし)に挨拶をしていなかったことを思い出したらしい。彼は呼吸を整えたあと改まって国師(こくし)に向かい、手を前で合わせると深々と頭を下げた。 「国師(こくし)様、火行瞋砂門(しんしゃもん)瞋熱燿(チェンルーヤオ)がご挨拶申し上げます。……国師(こくし)といえば、睡龍(すいりゅう)にはおりません。恐らくは睡龍(すいりゅう)の外から来られたのですよね?」 「瞋熱燿(チェンルーヤオ)殿。仰る通り、私は惺弦(せいげん)から参りました。本来不可侵の睡龍(すいりゅう)国師(こくし)が訪れることはあまり歓迎されることでないというのは存じております。しかし睡龍(すいりゅう)を超えて九州全体にも関わる火急の用向きがあり、こうして参った次第です。皆さまの周りをお騒がせすること、どうかお許し下さい」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)の挨拶を受けて、国師(こくし)もまた彼に丁寧に頭を下げ返す。
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