09:実事求是真凶手(真犯人)

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 一通りの話を聞いた瞋熱燿(チェンルーヤオ)卓子(たくし)の上の紙に目を落とし、溜め息をつく。彼は全員の話す内容を一つ一つ丁寧に書き記して纏めたのだ。驚くほど見事に、それぞれの話した内容が一目で理解できるように纏められている。 「お前って人の意見纏める才能あるな……」  見事ともいえる彼の手腕に、煬鳳(ヤンフォン)は思わず感嘆の声を漏らした。 「お褒めに預かり光栄です。……それより、話の続きをしましょう。黒炎山(こくえんざん)の地震も恐らくは火龍の仕業である。……疑問が一つあるとしたら……お爺様はなぜ自らが封じた黒炎山(こくえんざん)に、その……」 「どうした?」  急に瞋熱燿(チェンルーヤオ)が言い淀んだ。不思議に思って煬鳳(ヤンフォン)瞋熱燿(チェンルーヤオ)を見る。 「その……お爺様は三百年前に自らの手で火龍を倒したのですよね。それでも巨大な火龍を倒しきることができず、倒れたままの状態で火龍は眠りについた。……ご自分で倒した火龍の頭がある黒炎山(こくえんざん)に、なぜ黒冥翳魔(こくめいえいま)を封じたのでしょうか」 「えっ……?」  誰もがみな、彼の言葉に静まり返った。  瞋熱燿(チェンルーヤオ)に視線が集中し、驚いた彼は言葉を切って戸惑う。 「えっと……」 「いや、続けて下さい」  凰黎(ホワンリィ)が促し、瞋熱燿(チェンルーヤオ)は頷くと、おずおずと言葉を続ける。
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