09:実事求是真凶手(真犯人)

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「知っての通り、黒冥翳魔(こくめいえいま)翳炎(えいえん)は強大で、当時の五行使いが束になっても倒しきることができず、封印することになったとか。ですが、黒炎山(こくえんざん)の火口に封じたことで火山の炎は消えることなく燃え続ける昏い炎に変化し、それが黒炎山(こくえんざん)の由来になったのだと伝えられています。お爺様はなぜ、火龍の力になるようなことをされたのかと思って……あっ! ごめんなさい、皆さんの話を聞くはずだったのに僕の方が話してしまって……」  話し過ぎたことに気づき、瞋熱燿(チェンルーヤオ)は慌てた。しかし皆目を丸くして驚くしかない。何故なら、彼の言うことはしごくもっともな話だったからだ。 (ここに黒明(ヘイミン)がいなくて良かったと思うべきか……)  瞋熱燿(チェンルーヤオ)の話を聞きながら、煬鳳(ヤンフォン)は流れる冷や汗を止めることができなかった。肩に乗せていた黒曜(ヘイヨウ)を掴んで覗き込む。 「黒曜(ヘイヨウ)、どう思う……?」 『どうって……。この先のことを考えるのが少し怖い。また怒りに取り込まれてしまいそうで……』  鳥だと思った黒曜(ヘイヨウ)がいきなり言葉を話したことに瞋熱燿(チェンルーヤオ)は驚いているが、煬鳳(ヤンフォン)はそれどころではない。そして、黒曜(ヘイヨウ)煬鳳(ヤンフォン)と同じことを考えているからこそ、いまその続きを考えることを恐れているのだ。 「睡龍(すいりゅう)は眠らず、国師(こくし)殿はそう仰いましたね。そして龍の復活が迫っているということも」
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