09:実事求是真凶手(真犯人)

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 話を聞いていた鸞快子(らんかいし)は、国師(こくし)に尋ねた。 「はい。睡龍(すいりゅう)はまだ眠っています。しかし微睡みながらも目覚めの兆しはあるのです」 「完全な目覚めはいつか、分かりますか?」  国師(こくし)は首を振る。 「はっきりとした日は分かりません。しかし頭という部位は、当たり前ですが我々にとっても、そして龍にとっても重要な部位です。もし龍の頭が眠る火山が動き始めたというのならば、龍の目覚めもそう遠くない話でしょう。私は国王陛下にはこの予言をお伝えいたしました。ですが他の国に伝えてはおりません。……我々はただ、龍の目覚めを阻止して、国の民たちを守りたいだけなのです」  困ったことになった。誰もが皆そう考えていることだろう。それは煬鳳(ヤンフォン)とて同じことだ。  ――何がどうなっているのかはまだ分からない。ただ一つ言えるのは、いま瞋九龍(チェンジューロン)は胡散臭いということ。  瞋九龍(チェンジューロン)五行盟(ごぎょうめい)の盟主だ。本来は五行盟(ごぎょうめい)に働きかけて睡龍(すいりゅう)の鎮静化に協力して貰うつもりだったが、彼が盟主である限りそう簡単にはいかないだろう。恐らくは地震への対応で協力を仰ぐというのも、体裁だけ取り繕っているに違いない。 (思えば揺爪山(ようそうざん)の一件だってそうだ。本来なら一刻の猶予もならない状況で、みんなが責任を擦り付け合っているのを、あいつは盟主でありながらただ見ているだけだった)
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