09:実事求是真凶手(真犯人)

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 じっと瞋熱燿(チェンルーヤオ)の話に耳を傾けていた国師(こくし)が、口を開いた。鸞快子(らんかいし)に促され、国師(こくし)は「気になっていたのですが」と続ける。 「盟主様は一体どこに亡くなった方を運んだのでしょうか。……そして、なぜそれを教えて下さらないのでしょう」 「申し訳ありません、国師(こくし)様。僕もそれを知りたいくらいです」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)は申し訳なさそうに国師(こくし)に答えた。 「思うのですが……」  今度は凰黎(ホワンリィ)が口を開く。 「盟主様お一人で移動させることは可能なのでしょうか? 遺体の数が少なければ可能にも思えますが、数が多くなれば当然、盟主様お一人でことを片付けたと考えるのは難しいですよね? 初めの頃はいざ知らず、揺爪山(ようそうざん)ではそれなりの人数が亡くなったはずです。誰かしら手伝っているのでは?」 「それが……誰に尋ねても分からないというのです」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)は俯く。彼がそう言うのだから、恐らく尋ねたことは事実なのだろう。 「なるほど。ならば……何か別のものに偽装して運ばせた、というのは考えられませんか? どんな理由があったかは分かりませんが、死体を別の物だと称して門弟たちに移動させた。それなら可能ではないでしょうか」 「あっ……確かに! でもなぜ?」 「それは分かりませんが……盟主様に何かお考えがあったのかもしれません。運び出した荷物などの記録をつけていたら……」 「あります!」
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