09:実事求是真凶手(真犯人)

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 瞋熱燿(チェンルーヤオ)は大きく頷くと「すぐに取ってきます!」と言って足早に部屋を出て行った。それがあまりの勢いだったため、みな呆気に取られてしまい、彼の出て行った格子戸を暫し見つめるだけ。 「なあ、凰黎(ホワンリィ)……」  煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)の袖を引く。 「どうしたのですか? 煬鳳(ヤンフォン)」 「うん。……俺たち、五行盟(ごぎょうめい)に火龍を鎮める協力を求めて来たけど、本当にこのまま盟主に相談していいのかな……」  これまでの話を聞いて、途方もない不安が襲ってきた。いままでの話を聞いたら、なんだか五行盟(ごぎょうめい)に助力を請うのは難しい気がしてきたからだ。 「そうですね。私も少し……不安になってきました。我々はいま、何をするのが最善であるのか。それすらまだはっきりと見えていないのですから」  ここに来て初めに会えたのが他の誰でもなく、瞋熱燿(チェンルーヤオ)で良かったと心の底から思う。もしも他の門派――特に、瞋熱燿(チェンルーヤオ)以外の瞋砂門(しんしゃもん)雪岑谷(せきしんこく)の者であればこうはいかなかっただろう。  瞋熱燿(チェンルーヤオ)はすぐに何冊かの綴じた紙束を抱えて戻ってきた。彼が入ると鸞快子(らんかいし)がすぐに部屋の周囲に術を張り巡らせる。 「お待たせしました! ここ最近の五行盟(ごぎょうめい)本部の物品管理・入出記録を持ってきました。全て僕が管理しているので、間違いはないはずです」 「例えば夜こっそりと運び出す可能性は?」
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