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「お爺様に直接そのような失礼なことを尋ねるつもりですか!? 殺されますよ!?」
「いやいやいや……誰がそんなことするって言ったよ。俺が言ってるのは、瞋砂門に忍び込んで調べたら、なんか分かるんじゃないか? ってことだ。物事は穏便に運んだ方がいいだろ」
「……」
瞋熱燿の視線が冷たい。他所の門派に忍び込むことの、どこが穏便なのか。暗にそう告げている視線だ。けれど煬鳳はそんなことではめげたりはしない。
「だって、直接聞けないならこっそり調べるしかないだろ? なにも見つからなかったらそれはそれで良いことじゃないか。それに何か理由があるのなら、その理由だって調べたら分かるかもしれない。そうだろ?」
「ううう……なんだか理不尽なことを言われている気がするのに、正しい意見のようにも聞こえてくる……!」
問題は、これを調べたところで瞋九龍が、そして五行盟が火龍を鎮めるために力を貸してくれるのか、ということだ。
(俺たちだけじゃ火龍を倒すことはもちろんのこと、鎮めることも厳しいだろう。少なくとも可能な限りの協力者は必要だ)
ならば、協力を得るためにはどうすべきか。
彩鉱門と蓬静嶺は恐らく力を貸してくれるはずだ。清林峰は協力はしてくれるが、争いに加わるかどうかは微妙なところ。しかし、危なくなったときの治療などは助けてくれるかもしれない。
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