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霆雷門は……彼らは正当な理由さえあれば恐らくは協力してくれるに違いない。少なくとも彼らも睡龍に住まう者であり、決してこの地に住む者を見捨てて逃げ出すような無責任な門派ではない。面倒な奴だが、掌門の雷閃候に共に清林峰で過ごした雷靂飛。以前煬鳳が五行盟内部で窮地に立たされたときも彼らは心配して声をかけてくれた。少なくとも彼らに悪意はないはずだ。
「問題は瞋砂門、雪岑谷、それにその他大勢の中小門派か……」
なにも数が多ければいいというわけでもないが、ないよりは少しでも協力者は多い方が良い。中小門派はそれこそ実力も様々であり、玄烏門だけが飛びぬけて強い門派に分類される。
「数より質を選んだ方が良い。問題はいかに火龍を鎮め眠らせるかということ。大勢でかかってもある程度の実力がなければ、犠牲だけが増えかねないだろう。しかし強大な龍を相手にするのなら、味方は必要だ」
鸞快子はそう言うと、凰黎の方を向く。
「凰黎。……煬鳳を頼めるか?」
「今さら何を。当然です」
鸞快子の言葉に凰黎はすぐに頷いた。
「このあと私は、蓬静嶺と清林峰へ向かうつもりだ。彼らは少なくとも話せば分かってくれる人たちだ。彼らに事情を話し、助力を頼む」
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