09:実事求是真凶手(真犯人)

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 鸞快子(らんかいし)五行盟(ごぎょうめい)に残っていたら彼がうまくとりなしてくれただろうが、彼は睡龍(すいりゅう)のことを話すために蓬静嶺(ほうせいりょう)に行かなければならない。ならば共に蓬静嶺(ほうせいりょう)に行った方が彼らに説明もできるだろうし、いざとなれば蓬静嶺(ほうせいりょう)国師(こくし)を預けておくこともできる。 「先に国師(こくし)睡龍(すいりゅう)に遣わした人物は、何らかの事件に巻き込まれて命を落としている。国師(こくし)であろうとここに来た以上何が起こるか分からない」  鸞快子(らんかいし)の言葉は煬鳳(ヤンフォン)たちにも理解できる。なにせ国師(こくし)睡龍(すいりゅう)に送った阿駄(アーツォ)冥界(めいかい)から逃げ出したとき――彼に会ったのは煬鳳(ヤンフォン)たちだったからだ。  彼が命がけで国師(こくし)に伝えたかったことは、本当はもっと沢山あっただろう。しかし本人ではない以上、阿駄(アーツォ)が伝えることができたのは『睡龍(すいりゅう)は眠らず』の一言だけだった。  ――けれど、確かに睡龍(すいりゅう)は眠ってはいなかった。  煬鳳(ヤンフォン)の都合もあるが、同時に睡龍(すいりゅう)……火龍を鎮めないことには煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)も、そしてこの地に住む者も外の者も、どうなるか予想もつかない。  分かっているのは、火龍は強大で恐ろしいということだけ。     * * *
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