09:実事求是真凶手(真犯人)

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 瞋九龍(チェンジューロン)五行盟(ごぎょうめい)の盟主ということもあり、瞋砂門(しんしゃもん)との距離はさほど遠くはない。  だからこそ気軽に瞋九龍(チェンジューロン)は氷を運び込ませたとも考えられる。  中身が本当に氷だけだったのかは、分からないが。  強大な火龍を倒したことで名を上げた瞋九龍(チェンジューロン)瞋砂門(しんしゃもん)玄烏門(げんうもん)などとは比較にならない広さを誇っている。蓬静嶺(ほうせいりょう)もそれなりに広いものではあったが、瞋砂門(しんしゃもん)はさらに広かった。さらにいうならば門戸から屋根に至るまで至るところが華やかで豪華、見上げると光る金色に彩られた翹角は、お世辞にも趣味が良いとは言い難い。 「瞋砂門(しんしゃもん)を守る陣法は強固です。無理に突破すればすぐに気づかれてしまいます。僕が中に入ったら、すぐにこの裏口を開けますので待っていて下さい」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)はそう言って正面の門の方へ走っていく。 「なあ、凰黎(ホワンリィ)。手掛かりは見つかると思うか?」  瞋砂門(しんしゃもん)の門壁は高く、近くで見上げると門の向こう側は見えない。ここに来るまでの間に見た絢爛な外観は賑やかではあるがどこか不気味さを感じた。  鸞快子(らんかいし)もいなくなり、瞋熱燿(チェンルーヤオ)が門を開けるために消えたいま、残っているのは凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)の二人だけだ。
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