09:実事求是真凶手(真犯人)

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「そうですね……瞋熱燿(チェンルーヤオ)は見つかって欲しくないでしょうが……。仮に瞋九龍(チェンジューロン)が何か秘密を抱えているのだとしたら、何かしらの手掛かりは見つかるのではないかと思います」 「なんでそう思う?」 「彼は繊細な性格ではありません。豪快で大雑把で、隠し事を完璧にやり通すことには向いてはいないでしょう」 「な、なるほど……」  凰黎(ホワンリィ)嶺主(りょうしゅ)代理としてたびたび五行盟(ごぎょうめい)の集まりにも参加していた。だからこそ分かる部分もあるのだろう。  五行盟(ごぎょうめい)に火龍の件で助けて貰うように頼むつもりでやってきたはずが、どうしてこうなったのか。  しかし、火龍を倒したはずの瞋九龍(チェンジューロン)が、火龍にとって利になる行動をしているようにも取ることができる。いずれにせよ真偽をはっきりさせないことには、五行盟(ごぎょうめい)に火龍のことを話せない気がしたのだ。  小さな物音に構えると、裏口の扉が開く。顔を出したのはとうぜん瞋熱燿(チェンルーヤオ)だ。 「お二人とも、遅くなってすみません。中の見回りは僕が把握していますので、静かにどうぞ」
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