09:実事求是真凶手(真犯人)

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 周囲にうず高く積もる、白骨の山。一人分や二人分という数ではない、もっと沢山だ。もしも異臭がそこからやってきているのならば……元々の白骨には肉が付いていたはずだ。  あまり気は進まないが、なるべく深く考えすぎないようにしながら煬鳳(ヤンフォン)は白骨の状態を確認する。  積み上げられた白骨は決して整った形ではなく、どれもバラバラで無造作。比較的新しいものについてはまだ形を残しているものもあり……。 「うっ……うぇえ……」  その先を考えていたところで、瞋熱燿(チェンルーヤオ)の声で煬鳳(ヤンフォン)は思考を切り替えた。  堪らず瞋熱燿(チェンルーヤオ)が膝をつき、えずきはじめてしまったようだ。凰黎(ホワンリィ)が慌てて瞋熱燿(チェンルーヤオ)の背に手を当てると、すぐに顔色が戻る。どうやら凰黎(ホワンリィ)の送り込んだ冷気によって不快感が取り除かれ、なんとか気分が持ち直したらしい。 「申し訳ありません……その、遺体を見たことが無いわけではないのですが、このような凄惨なものは初めてでして……」 「気にするな。俺も正直あまり気分がいいもんでもないしな」  煬鳳(ヤンフォン)はそう言うと、光を掲げ周囲の様子を確認する。  どうやらこの地下室は、だだっ広いだけの空間ではなく、奥には牢屋のようなものもあるようだ。燐光(りんこう)を受けぼんやりと見える形から、そのように推測した。 「あっちに牢屋があるみたいだ、行ってみよう」  ここまで来たら逃げかえることはできない。このような有様を見つけてしまったからには余計にだ。
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