09:実事求是真凶手(真犯人)

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 凰黎(ホワンリィ)の言葉に瞋熱燿(チェンルーヤオ)が驚いて彼を見上げた。 「凰黎(ホワンリィ)、知ってるやつなのか?」 「はい。先ほど彼が煬鳳(ヤンフォン)に襲い掛かったとき、土行の力を微かに感じました。恐らく彼は土行雪岑谷(せきしんこく)の誰か……」 「雪岑谷(せきしんこく)!? 俺が五行盟(ごぎょうめい)で詰められたときにあいつらも確かにいたけど、そんな強いと思うようなやつはいなかったぞ!?」  しかし、凰黎(ホワンリィ)の言葉に間違いはないだろう。ということは、煬鳳(ヤンフォン)も知らない誰かということになる。  では、一体誰なのか? 「ううう……」  男が目覚めたようで、微かに呻く。煬鳳(ヤンフォン)がおろおろしていると、凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)を見た。 「私に任せて頂けませんか?」  気絶させてしまった煬鳳(ヤンフォン)では、男がまた暴れてしまうかもしれない。凰黎(ホワンリィ)はこの男を知っているかもしれないと言っていた。だから凰黎(ホワンリィ)に任せるのが良いだろう、煬鳳(ヤンフォン)はそう考えて凰黎(ホワンリィ)に頷いた。 「分かった。凰黎(ホワンリィ)に任せるよ」 「有り難うございます」  凰黎(ホワンリィ)は男の傍に屈みこむと、瞋熱燿(チェンルーヤオ)の反対側から男の背中を支えた。凰黎(ホワンリィ)は穏やかな口調でゆっくりと男に語り掛ける。 「私は蓬静嶺(ほうせいりょう)静霄蘭(ジンシャオラン)と申します。貴方を助けに来ました」  男の頬がピクリと反応したのが分かった。
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