09:実事求是真凶手(真犯人)

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「心配しないで下さい。……面倒な方とのやり取りも、その場しのぎの取り繕いも、普段から慣れっ子ですから」  そう言った瞋熱燿(チェンルーヤオ)は少し笑っている。笑ってはいるが、少しぎこちないのは彼も緊張しているのだ。緊張してはいるが、煬鳳(ヤンフォン)吾太雪(ウータイシュエ)をここから脱出させるために、彼は同じ門派の者たちと対峙する。 「貴方に負担をかけて申し訳ありません。どうか気を付けて」 「有り難うございます、(ホワン)殿。元々は我々瞋砂門(しんしゃもん)が引き起こしたことですから、これくらいは当然です。……では、門を開けます!」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)が門を開けると、煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)は担いだ吾太雪(ウータイシュエ)を連れてすぐさま近くの物陰に身を隠す。少し離れた場所まで瞋熱燿(チェンルーヤオ)が歩いていくと、瞋砂門(しんしゃもん)の門弟たちが瞋熱燿(チェンルーヤオ)を見つけて寄ってきた。 「(チェン)公子。どうされたのですか?」 「いえ、なんだか眠れなかったので少し散歩をしようと思って」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)と門弟たちは他愛のない話をしている。暫く会話をしたあと、門弟たちは「お気をつけて」と言ってやってきた方向へと戻っていった。 「どうやらうまく行ったようですね……」  注意深く瞋熱燿(チェンルーヤオ)のやり取りを見守っていた凰黎(ホワンリィ)だったが、門弟たちの姿が消えてようやく安心したようだ。緊張しきりだった表情がようやく和らぎ、小さく息を吐く。 「お爺様……!?」
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