09:実事求是真凶手(真犯人)

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「ふむ。まあ人には適材適所というものがある。そう思い悩むことはないだろう。今回失敗したのなら次を頑張ればよい」 「有り難うございます。お言葉、心に刻みます」  瞋熱燿(チェンルーヤオ)瞋九龍(チェンジューロン)に拝礼をしたあと、さらに言葉を続けた。 「お爺様もお戻りになったばかりなのでしたら、きっとお疲れでしょう。今夜はどうかゆっくりお休み下さい」  煬鳳(ヤンフォン)たちは生きた心地がしなかったし、瞋熱燿(チェンルーヤオ)も同じ心境であったろうと思う。しかし彼は瞋九龍(チェンジューロン)に笑顔を向け「それでは」と言って煬鳳(ヤンフォン)たちの潜む場所とは別の方向に立ち去ろうとした。 「――待ちなさい」  またもや煬鳳(ヤンフォン)たちは凍り付く。  うまく瞋九龍(チェンジューロン)の追及をかわしたと思ったはずなのに、呼び止めた彼の声音はさらに低く、恐ろしく、底の知れない恐怖を覚えた。  心臓が弾けそうなほど激しく鼓動は刻み続け、首からは冷や汗が伝う。しかし、己の感情よりもまず先に、瞋九龍(チェンジューロン)と対峙している瞋熱燿(チェンルーヤオ)のことが心配でならない。  瞋熱燿(チェンルーヤオ)の笑顔は凍り付いたまま、必死でなんとか表情を保とうとしている。 「なんでしょうか? お爺様」  瞋九龍(チェンジューロン)はゆっくりと瞋熱燿(チェンルーヤオ)の目の前まで近づいてゆき、彼の足元から頭の先までじっくりと見つめた。
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