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「なっ!?」
二人の間に割って入る直前、凄まじい爆発と衝撃波が巻き起こる。何が起こったのかも分からぬまま煬鳳は吹っ飛ばされて地面に転がった。
「いってえ……」
「煬鳳!」
すかさず凰黎が煬鳳の元に走り寄って助け起こす。煬鳳は凰黎に瞋熱燿のことを言おうとしたのだが、二人の目の前に瞋熱燿が転がってきたので二人とも一瞬言葉を失ってしまった。
「あいたたた……」
爆発で服のあちこちが焦げ付いているものの、瞋九龍に掴まれていた肩から血を流している以外の怪我は擦り傷程度。
「瞋熱燿!」
煬鳳は瞋熱燿の手を引き立たせてやると「大丈夫か?」と尋ねる。
「鸞快子様の言葉が咄嗟によぎって……ありったけの霊力をぶち込みました。……はは、もう、足が笑ってしまって……」
がくがくの足で辛うじて立つ瞋熱燿に、思わず吹き出しそうになった煬鳳だったが、背後から迫る気配を感じて凰黎に叫ぶ。
「凰黎、吾谷主と瞋熱燿を頼む!」
「貴方……何を言っているか分かっているのですか!?」
「……でも……っ!」
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