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清粛の父、清大秧は数少ない門弟を連れて蓬静嶺にやってきたそうだ。峰主の清義晗は前峰主の清樹と共に清林峰を守っている。
『睡龍のことも一大事であり決して他人事ではないが、ここには薬草や薬が沢山ある。清林峰をもぬけの殻にして、いざというときに何かあっては対処することもできない。我々はここに残って薬を作り続けよう、どんな怪我人がきても、不測の事態にも対処してみせる』
清峰主は万が一のことを考えて清林峰に残ることにしたそうだ。代わりに息子の清大秧と門弟数名を孫である清粛の元に送った。
数名というのは少なく思えるが、清林峰の神医であった榠聡檸は既に拘束されており、息子の榠曹も同様だ。元々門弟の少なかった清林峰からすれば数名でもかなりの人員を割いたといえよう。
「清林峰の門弟は少ないですが、全力で皆様の援護をさせて頂きます。吾谷主のこともお任せ下さい」
清粛は決意を込めた表情で語り、吾太雪の治療を引き受けた。幸い彼の精神力は強靭で、すぐに元通りとはいかないまでも会話ができる程度には持ち直したそうだ。
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