09:実事求是真凶手(真犯人)

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 道理で、閉閑修行に入ったまま一向に出てこないわけだ。当人は瞋砂門(しんしゃもん)の地下室に捕らえられていたのだから。出られるはずもない。  門弟たちは彼が捕らえられているがために、仕方なく『閉閑修行で山奥に籠もっている』などという嘘を言わねばならなかったのだ。 「瞋九龍(チェンジューロン)は人ではない。……あれは獣そのものだ。我々が英雄と崇めていた火龍殺(かりゅうさつ)は、英雄などではなかった……!」  血を吐くように苦しい形相で吾太雪(ウータイシュエ)は低く叫んだ。  吾太雪(ウータイシュエ)から明らかにされたのは驚くべき事実だった。  何が起こったか。死体が消える話と瞋砂門(しんしゃもん)の地下に積まれた白骨を見れば、何があったかは想像に難くない。 「私は彼の所業を見た。そしてそれを彼に見つかってしまった。ゆえに私はそのまま瞋砂門(しんしゃもん)へと連れ去られ、地下室に拘束されていたのだ。……一体どれほどの時間であっただろうか……」  吾太雪(ウータイシュエ)は苦々しい表情で吐き捨てた。 「阿駄(アーツォ)殿が国師(こくし)殿に伝えたいと申されていた話を聞いて、なぜ奴がそのような所業をするのかようやく理解できた」  国師(こくし)吾太雪(ウータイシュエ)の話をじっと聞いていたが、彼から阿駄(アーツォ)の名が出たことで僅かに震える。彼とてまさか五行盟(ごぎょうめい)盟主の手によって阿駄(アーツォ)が命を落とすなど、考えてもみなかったのだろう。 「阿駄(アーツォ)は……彼はなんと?」
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