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「だからこそ、戦う者たちに悪戯に命を散らすようなことをさせてはいけません。瞋九龍と戦って、少なくとも持ちこたえることのできる精鋭だけを選ぶのが良いと、私は思います」
煬鳳は凰黎の言葉に心底安堵した。自分の考えを彼が理解してくれたような気がして、嬉しかった。
「どっちにしても、瞋九龍は吾谷主を追いかけてこっち来るんだろ? なら、俺たち彩鉱門も迎え撃つしかないだろ」
腹を決めたのか、彩藍方の言葉に躊躇いはない。
逆に彼が言い切ったことで、煬鳳は別の不安が押し寄せて彼に尋ねた。
「でも、お前んとこの掌門は? なんて言ってるんだ?」
彼は二公子ではあるが掌門ではない。この事態のなかで決断をできるのは、彼の所属する彩鉱門の掌門なのだ。
「ああ、それならさっき嶺主様と話をして……彩鉱門も一緒に瞋九龍を迎え撃つってことを言ってきたぜ。そろそろ彩鉱門も姿を見せる頃合いだろう、ってな」
「よく決断したな! 正直驚いたよ」
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