09:実事求是真凶手(真犯人)

76/77
前へ
/1358ページ
次へ
瞋九龍(チェンジューロン)とやりあうなら万晶鉱(ばんしょうこう)の宝器は必須だろ? それなのに俺たちだけ高みの見物をしてるわけにはいかないからな。――なにより、彩鉱門(さいこうもん)が隠れる発端になったあの一件。瞋九龍(チェンジューロン)こそが眠れる火龍であるなら自ずと事情も見えてくる……ってな」 「あっ……」  彩藍方(ツァイランファン)の指摘で煬鳳(ヤンフォン)の脳裏にはあることが閃く。 (もしかして……瞋九龍(チェンジューロン)万晶鉱(ばんしょうこう)の宝器を恐れたのか?)  そうであるならば、確かに五行盟(ごぎょうめい)が……いや、瞋九龍(チェンジューロン)五行盟(ごぎょうめい)を利用して、宝器を扱うことのできる彩鉱門(さいこうもん)滅門(めつもん)させようとした理由、その辻褄があうのだ。 「そうか……あいつは、もともと瞋九龍(チェンジューロン)の持つ万晶鉱(ばんしょうこう)の槍に追い詰められた。だからこそ、他の門派の奴らが万晶鉱(ばんしょうこう)の武器を、宝器を持つことをよく思わなかったのか!」 「たぶんな。俺の推理、間違ってるか?」 「分からないけど、納得はできる!」 「だろ? だから、俺たちは奴と戦うべきなんだ。いまこそ」  そう言った彩藍方(ツァイランファン)の眼差しは強く勇ましい。  その瞳は黒炎山(こくえんざん)の噴火のときに見た、決意の眼差しを思い起こさせる。 「そうと決まったら――っ!?」
/1358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加