110人が本棚に入れています
本棚に追加
「瞋九龍とやりあうなら万晶鉱の宝器は必須だろ? それなのに俺たちだけ高みの見物をしてるわけにはいかないからな。――なにより、彩鉱門が隠れる発端になったあの一件。瞋九龍こそが眠れる火龍であるなら自ずと事情も見えてくる……ってな」
「あっ……」
彩藍方の指摘で煬鳳の脳裏にはあることが閃く。
(もしかして……瞋九龍は万晶鉱の宝器を恐れたのか?)
そうであるならば、確かに五行盟が……いや、瞋九龍が五行盟を利用して、宝器を扱うことのできる彩鉱門を滅門させようとした理由、その辻褄があうのだ。
「そうか……あいつは、もともと瞋九龍の持つ万晶鉱の槍に追い詰められた。だからこそ、他の門派の奴らが万晶鉱の武器を、宝器を持つことをよく思わなかったのか!」
「たぶんな。俺の推理、間違ってるか?」
「分からないけど、納得はできる!」
「だろ? だから、俺たちは奴と戦うべきなんだ。いまこそ」
そう言った彩藍方の眼差しは強く勇ましい。
その瞳は黒炎山の噴火のときに見た、決意の眼差しを思い起こさせる。
「そうと決まったら――っ!?」
最初のコメントを投稿しよう!