10:無常因果的終結(終末)

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 そんな不安を察するかのように凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)の手を握る。顔をあげた先にいるのは、普段と変わらずに淡雅な表情を湛える凰黎(ホワンリィ)だ。 「ですが、先に向かった瞋九龍(チェンジューロン)率いる五行盟(ごぎょうめい)の面々もまた、休まねばならないのは我々と同じです。瞋九龍(チェンジューロン)一人なら無茶もできるのでしょうが、盟主という体裁を考えれば門弟たちを気遣うことはしなければならないかと。そうでなかったら、たとえ自分の体が復活するための捨て石だったとしても、それまでに逃げられてしまうでしょうし……ね」  決して楽観視はできないが、それでも凰黎(ホワンリィ)の言葉に少しだけ心が軽くなる。 「凰黎(ホワンリィ)の言う通りだな。途中で逃げられたら元も子もないよな。……有り難う、凰黎(ホワンリィ)」 「いいえ。……(レイ)公子とは共に清林峰(せいりんほう)で事件を解決したこともあります。私も彼らの命を無駄に散らしたいとは思いませんから……そうでしょう?」 「うん。あいつらは面倒な奴だけど、なんだかんだ五行盟(ごぎょうめい)にいるときも俺のこと気に掛けてくれたしさ。少なくとも火龍の餌にはしたくないな」 「私も同感です」  煬鳳(ヤンフォン)の頭を抱きよせた凰黎(ホワンリィ)は控えめに煬鳳(ヤンフォン)の頭を撫でる。急にそんなことをされたので煬鳳(ヤンフォン)は驚いて固まってしまう。 「きゅ、急にどうしたんだ?」  その理由が分からずに煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)に問いかけた。
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