10:無常因果的終結(終末)

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 鼓牛(グーニゥ)がいずこからか用意した豪華な馬車に吾太雪(ウータイシュエ)を寝かせ、煬鳳(ヤンフォン)たちは乗ってきた馬車に乗り込んだ。清粛(チンスウ)吾太雪(ウータイシュエ)と同じ馬車を希望したのだが、鼓牛(グーニゥ)が話がしたいと頼んだため、暫くの間門弟に吾太雪(ウータイシュエ)の世話を頼むことにした。 「恩返しなんてそんな……ですが、貴方の持ってきて下さった霊薬は吾谷主(ウーこくしゅ)の体を著しく回復してくれました。感謝してもしきれません」  このご恩は必ず――その言葉の通り、鼓牛(グーニゥ)煬鳳(ヤンフォン)たちの助けになるものを沢山運んできてくれたのだ。  吾太雪(ウータイシュエ)を寝かせたまま運べる馬車に貴重な霊薬。そして薬草の類も様々だ。  聞けば清粛(チンスウ)が薬草を探しに森の奥に行ったときに、鼓牛(グーニゥ)が彼を見つけて声をかけてきたらしい。 「我々が受けたご恩に比べれば、このようなことは極めて僅かな恩返しに過ぎません。どうか遠慮なく受け取って頂ければと思います」 「ということは、貴方の主は無事に回復されたのですね?」  凰黎(ホワンリィ)の問いかけに鼓牛(グーニゥ)は少し困った顔で「実は……」と頭を掻く。 「正直に言えば索冥花(さくめいか)は主の怪我を癒やすために多大な効果をもたらして下さいました。ですがそれでも索冥花(さくめいか)だけでは、主の根本的な治療はままならなかったのです。……ですが色々ありまして、結果的に皆様のお陰で僥倖にも主は回復されました」  なんとも奥歯にものが挟まったような説明だ。
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