10:無常因果的終結(終末)

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 呑気な二人のやり取りに、一瞬自分たちがこれから何をしに行くのかを忘れそうになった煬鳳(ヤンフォン)だった。 (そういえば……)  ふと煬鳳(ヤンフォン)は、鸞快子(らんかいし)のことを思い出す。  先ほど現れた鸞快子(らんかいし)は、鼓牛(グーニゥ)のことを紹介するために来たわけではなかったのだ。煬鳳(ヤンフォン)たちが鼓牛(グーニゥ)との挨拶を済ませたのを見届けると、彼は煬鳳(ヤンフォン)たちに声をかけた。 「五行盟(ごぎょうめい)で彼の戦いぶりを見てきたが、束になってかかれば勝てる相手ではない。そこで我々はどのように瞋九龍(チェンジューロン)と対峙するかを嶺主(りょうしゅ)様と彩鉱門(さいこうもん)掌門(しょうもん)とで話し合ってきた。……それで、君たちにも協力して欲しいと思っている」  煬鳳(ヤンフォン)にとって、瞋九龍(チェンジューロン)との戦いは避けようもないこと。本来は火龍を鎮めるだけで良かったはずが、彼が火龍に乗っ取られていることが分かり、瞋九龍(チェンジューロン)と戦わざるを得なくなってしまった。  だから、鸞快子(らんかいし)の提案に応じるのは当然のことだと思っている。 「もちろんさ。凰黎(ホワンリィ)も、そうだろ?」  凰黎(ホワンリィ)はそんな煬鳳(ヤンフォン)の言葉に多少の躊躇いを見せたが、結局溜め息を一つついて、 「そうですね。この山場を乗り切らないことには我々の安寧もあり得ませんから」  と、観念したように承諾した。  鸞快子(らんかいし)は二人の返答に安心したようで口元を緩める。
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