10:無常因果的終結(終末)

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「感謝する。……もちろん、凰黎(ホワンリィ)の懸念である煬鳳(ヤンフォン)のことは、何を差し置いても守ってみせる。安心して欲しい」 「貴方に守って頂かなくても、私がちゃんと守ってみせます」  対する凰黎(ホワンリィ)は、鸞快子(らんかいし)の言葉に対して幾分か棘のある返答を返す。言われてしまった鸞快子(らんかいし)は苦笑しながら、 「それも当然ながら理解している」  と凰黎(ホワンリィ)に言ったのだった。  鸞快子(らんかいし)の相談ごとはほんの僅かな時間で終わり、鸞快子(らんかいし)は隊列の先頭に戻るために別れを告げる。煬鳳(ヤンフォン)たちも馬車へ戻ろうと踵を返すと、鸞快子(らんかいし)煬鳳(ヤンフォン)の名を呼んだ。 「煬鳳(ヤンフォン)」 「なんだ?」  別れ際に呼ばれ、振り返った煬鳳(ヤンフォン)の頭に鸞快子(らんかいし)の掌が載せられる。 「有り難う」  鸞快子(らんかいし)はただ一言――そう言って、隊列の先頭へと戻っていった。 (なんであんなこと言ったんだろう。あんな……)  そんなはずは絶対にない。  けれど煬鳳(ヤンフォン)には……彼がどこかに行ってしまうような、そんな言葉に聞こえたのだ。  ときおり馬車の中から外の様子を確認していた煬鳳(ヤンフォン)は、山頂が近づいてきたことを悟り「そろそろ降りるよ」と御者を務めていた門弟に呼び掛けた。  清粛(チンスウ)鼓牛(グーニゥ)煬鳳(ヤンフォン)の呼び掛けを聞いて、手早く身支度を調える。 「お二人とも、お気をつけて」
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