10:無常因果的終結(終末)

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 いくら煬鳳(ヤンフォン)とて、五行相克は理解しているつもりだ。強大な瞋九龍(チェンジューロン)と戦うならば水行の蓬静嶺(ほうせいりょう)が主戦力になるのは当然のことであるし、逆に火と火の力がぶつかり合えば火行の勢いが増し、黒炎山(こくえんざん)の噴火が早まってしまう可能性がある。  そういったことを危惧して鸞快子(らんかいし)は先ほどの戦略を立てたのだろう。  彼の意図が分からぬ煬鳳(ヤンフォン)ではない。 「蓬静嶺(ほうせいりょう)の威信にかけても、瞋九龍(チェンジューロン)との闘いは制してみせましょう」 「うん、任せたよ。凰黎(ホワンリィ)。……まあ、俺の翳炎(えいえん)翳冥宮(えいめいきゅう)の炎であって、正確には普通の炎とは違うから火行じゃないんだけどな。でも、この山自体が翳炎(えいえん)の影響を受けている以上、用心するに越したことないよな」  肝心なところを人任せにするのは心残りではあるが、煬鳳(ヤンフォン)煬鳳(ヤンフォン)で重要な役目を任されている。だから、文句などを言っている場合ではないのだ。 「ここからは隊列を変えて進む。蓬静嶺(ほうせいりょう)の門弟は前に。彩鉱門(さいこうもん)は彼らのあとに続くように。……清林峰(せいりんほう)は最後尾について進むこと。私と煬鳳(ヤンフォン)の二人、そして鉄鉱力士(てっこうりきし)は最後尾につき、清林峰(せいりんほう)を含む支援部隊を守る。……とはいえあくまでこれは瞋九龍(チェンジューロン)と遭遇するまでの話。乱戦状態になったら各々の判断で行動するように!」
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